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【種類別に起業の流れ、特徴を解説】~株式会社編~

今回は営利法人の中でも代表的な株式会社についてみていきます。

 

 株式会社とは、代表的な営利法人形態であり、設立方法は株式の所有率によって

発起設立、募集設立があります。

 

 会社自体は株主と呼ばれる出資者の所有であり、経営との分離がされていることが特徴です。

 

 

株式会社を立ち上げるためには大きく分けて6つのステップがあります。

 

1、発起人の決定

 

2、基本事項の決定

 

3、定款の作成、認証

 

4、出資金払い込み

 

5、登記書類の作成、申請

 

6、年金事務所、税務署、各地方自治体へ届出

 

まず最初に発起人の決定です。

 

 発起人とは簡単に言うと会社を作ろうと考えた人で以下特徴になります。

 

 ・会社設立する際資本金の出資

 

 ・*定款作成等の手続きをする人

 

 ・会社設立時のみ出資や会社手続きの責任を負う人

 

 ・設立後は株主になり会社の意思決定にかかわっていく。

  

 *定款 法人の目的、組織、活動、構成員、業務執行等について基本規約、基本        

 規則のことで、簡単に言うとその会社ルール、法律のようなもの。

 

 

 取締役との違い

 

  取締役とは株主から会社の運営を任された人で、株主総会で決定されます。

  会社の責任を負う人とは異なるので、その点が発起人との違いになります。

 

 発起人=取締役でもOKで、個人事業主から法人成りした場合に多くみられます。

2つ目に基本事項の設定です。

 

 ・商号の決定

 会社の名前で、株式会社を入れて商号を決めます。 

 

 ・印鑑の作成

 商号が決定したら代表者印、会社実印、銀行印、社印(ゴム印)角印等作る

 

 ・資本金額の決定

 1円以上なら何円でも設定可能だが少なすぎるとデメリットもあるので、

 最低でも100万円ほどはほしいところ。ただし多くてもいいわけではなく

 1000万円を超えると税金がかわってくるので注意。

 

 

 ・所在地の決定

 定款を作る前に本店所在地を決めます。

 もし番地まで決まっていない場合は、発起人決定書で番地まで記す必要が

 あります。

 

 

3つ目は定款の作成、承認になります。

 

 公証役場で認証してもらうことで公的な効力を持たせることができます。

 

 法人にとってもプロフィールになるがしっかり作りましょう。

絶対的記載事項

 

 

定款に必ず記載する事項(なければ無効)

 

内容

 

 事業目的、商号、本店の所在地、設立に際して出資される財産の価額またはその最低額(資本金)発起人の氏名又は名称及び住所、発行可能株式総数

相対的記載事項

 

必須ではないが、記載しなければ公的な効力を持たない事項

 

内容

 

 代表取締役その他株式会社を代表するものの定め、定め方、取締役会を招集する取締役の定め、取締役会の招集通知の期間の短縮に関する規定、定足数、決議要件の加重に関する規定、決議の省略、株式の譲渡制限に関する定め(これがないと株式を会社の許可なく自由に譲渡できるようにしてしまう)

任意的記載事項

 

記載すれば公的に効力が発生し、会社を守るため明確に記載すべき事項

 

内容

 

 定時株主総会の招集時期に関する規定、基準日、事業年度に関する規定、取締役、監査役の数、種類株式、配当金に関する事項。

 


4つめに出資金払い込みをします。

 

 登記前には会社口座作れないので、初めは発起人の誰かの個人口座を作成し払い込みをする。その後通帳コピーと払い込み証明書をまとめる。

 

5つ目に登記書類の作成、申請を行います。

 

1~4が終われば法務局での法人登記手続きをします。

 

 登記申請書、定款(謄本)、資本金の払込証明書及び通帳のコピー、代表取締役及び取締役の就任承諾書、印鑑証明、監査役の就任承諾書及び本人確認書類、印鑑届書、記載事項を別記載した用紙またはCD-Rなど・・・

 

場合によっては発起人決定書なども必要になります。

 

詳しくはこちら

 

上記書類をそろえて法務局へ提出します。

提出日(申請)が会社設立日となり、郵送でも申請可能です。

 

最後に税務署への届出をします。

 

 必要書類は、法人設立届出書、青色申告の承認申請書、源泉所役税の納金の特例の承認に関する申請書、給与支払事務所等の開設届出書

場合によっては棚卸資産の評価方法の届出書、減価償却資産の償却方法の届出書が必要になります。

 

・各地方自治体への開業届

地方税払わないといけないので、都道府県、市区町村それぞれに届け出ます。(法人設立届出)と同じもので構いません。

 

・社会保険への加入(義務であり下記4つの総称)

  

  健康保険・・・①

  

  厚生年金・・・②

  

  雇用保険・・・③

  

  労災保険・・・④

 

 ①、②は会社設立5日以内に年金事務所に申請、③、④は従業員を雇う場合のみ必要になりますが、未加入だと罰則となります。

 

 法人用口座の作成、審査が厳しいのでできるだけ早く着手して方がよいでしょう。

 加えてクレジットカードも作成しておくと経費申請が楽になりますので必須ではありませんがおすすめです。

 

 

★まとめ

 

・メリット

・デメリット

   

株式の発行により、投資家や個人などから多額の資金を調達できる。

赤字になっても均等割というものがあり、所得税とは違う税金が毎年最低7万円ほどかかる。
事業規模の大きい会社に向いている。 確定申告がややこしく税理士に依頼することが多いのでその費用がかかる。
広く認知されているので知名度や信頼性が高い

任期があるので数年に一度お金がかかる再任手続が必要(通常取締役2年、監査役4年 ともに最長10年)

間接有限責任となるため、倒産しても出資の範囲内の損失債権者に対して負債を払わなくていい。

決算公告義務があるなど厳格な規定が定められている(株主に知らせないとダメ)

借入金の返済や固定資産の購入を除いて支出はすべて経費になる。

 

法人税は累進課税ではないので設ければ設けるほど税金が高くなるということはない。

 
青色申告で赤字を最大10年繰り越せる。  
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