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帳票専用ツール???

最近では、ITの進化がすすみ

企業の業務効率の改善や従業員の負担の軽減だけでなく

ビジネスの在り方も大きく変わりつつあります。

 

資金力が豊富で業務量の多い大企業においては

少しでも費用対効果のある設備投資を

積極的に進める一方で、従業員が300人未満の中小企業や

個人事業主においては

既存の業務過程を変更する余力もないため

ExcelやWordを使用し「帳票」の業務を行っている

会社も少なくはありません。

 

確かに中小企業、個人事業主の帳票業務においては

取り扱う量、種類が大手企業ほど多くはありません。

 

ですが、大企業よりも作業を行う人材が少ないのも事実です。

また「e-文書法」や「マイナンバー制度」等の影響で帳票業務の複雑化も進み

多くの企業が「Excel」に頼った帳票開発に限界を感じ始めています。

 

Excelは簡単、便利で様々なビジネスシーンで

活用できるソフトではありますが、

帳票の開発・作成には多大な時間が必要です。

また他のシステムと非連携なため、

保守・管理・共有等がしづらい、できないといった弱点を抱えています。

 

これまでのExcelによる帳票業務に限界を感じていることや

2020年3月以降のコロナ禍によって広まったテレワーク化の後押しもあり、

クラウドや業務システムの連携に対応した専用の「帳票ツール」を導入する企業が

2020年4月以降、急速に増え続いています。

 

Excelで帳票を作成するときの流れ

帳票業務を円滑に行うための専用ツール等は

多数存在するものの

取引先が限られている零細企業や個人事業主では

Excelでも帳票の作成は十分可能にはなります。

 

帳票業務の効率を向上させるための

テンプレートやアドオン(マクロ)なども

利用することが出来るので、経理担当者が一人、

個人事業主で帳票作成も兼務といった事業規模で

 

あればExcelでも十分に活用することができます。

 

 

--------- データベースの作成 --------------

 

まずは帳票の各項目に記入する

元データが集約されたデータベースのシートを作成します。

同じExcelのファイル内でも作成可能ですし

データベースのみ別ファイルにしても大丈夫です。

帳票を作成し続けているうちにどこにどのデータが

あるか分からなくなってしまわないようにファイルや

シートの命名規則やフォルダ構成、フォーマットは予め決めておくと

のちにわかりやすいでしょう。

 

・項目を決める

データベースシートにデータとして保存する項目や

帳票に記載する領域を決めます。

具体的には、会社名(取引先)や

日付、郵便番号、住所、部門、担当者、金額などです。

項目は列に、取引を行にするのが一般的になります。

 

・データを入力する

データベースシートの各項目にデータを入力します。

1行1帳票というルールでデータベースを作成することにより

帳票様式への転記がしやすくなります。

 

・出力様式を決める(プリンタ、PDF)

作成した帳票の出力様式を決めます。

紙出力の場合、A4などの紙のサイズや余白などのページ設定です。

帳票フォーマットを作成後

出力様式を決める方もいますが

その場合、印刷範囲の制限により

レイアウトの見直しが必要になる場合があります。

そのため出力様式は最初に決めておくことをおすすめします。

電子ファイルの場合

ExcelのままかPDFかのどちらかになると思いますが

PDFの場合、Excelの印刷イメージがそのままファイルに出力されるため

特に検討する必要はありません。

 

・帳票のフォーマットをデザインする

項目をレイアウトした帳票の

フォーマットをデザインします。

Excel用の帳票のテンプレートは

Microsoftや、様々なサイトから無料でダウンロードすることもできます。

【帳票テンプレート 無料】等で検索してみましょう。

無料テンプレートを使用、またアレンジすることで

作成の負担を軽減することが可能になります。

集計等の計算が必要であれば、計算式や関数を入力したり、条件付き書式を設定したりします。

 

・帳票フォーマットにデータベースを転記する

帳票フォーマットの各セルに

データベースシートの参照先を入力します。

例えば、

“ =[A社帳票データベース]領収書!$B$2 ”

という式をセルに入力することにより

「A社帳票データベース」

というファイルの

「領収書」

というシートのB列2行目のデータが転記されます。

 

この作業は帳票入力の度に行うと大変なので

一括置換やマクロを使用することで作業の効率を向上させることができます。

 

・帳票を出力する

帳票フォーマットにデータを転記することで

帳票が完成します。

あとは出力したい様式で出力するだけです。

なおExcelではVBAを作成・実行することで、

帳票の手作業を大幅に減らすことが可能です。

これらについては、インターネット上でさまざまな方法が

紹介されていますので、用途に合わせて盛り込んで頂くか、

マクロをダウンロードして利用して頂ければと思います。

----------------- 帳票作成にExcelが不向きな理由 -------------------

 

Excelは関数やマクロを使用しなければ

とても簡単で使いやすく

また多くの人が扱いに慣れているというメリットがあります。

 

そのため、従業員の教育する時間を短縮することができ

コストカットになる。

ツールコストも安価といった理由により

Excelを主体とした帳票業務を多くの企業が採用している。

 

ですが、会社の成長に伴う規模の拡大

帳票を取り扱う従業員、帳票数、帳票種が増えることにより

いくら社内の運用ルールを見直しても

スタンドアローン色の強いExcelでの帳票業務に

ほとんどの担当者が限界を感じているでしょう。

 

◆大容量のデータベースには不向き

Excelには取り扱えるデータ数に上限があります。

「Excel 2007」以降は、この制限が大幅に緩和され

1つのシートで表示できる行は6万5535行から104万8576行に

拡張されましたが、行数の増加に伴い

検索、抽出、集計といった関数の処理に多大な時間が必要になります。

 

104万8576行フルにデータが記載され

さらに様々な関数や条件付き書式を多用した

Excelファイルはファイルを開く際や更新に時間がかかり過ぎてしまいます。

 

◇手作業が多いため、凡ミスが防げない

Excelは多様性を重視しているため

非常に自由度を高くしています。

保護や入力チェック等を設けていないと

手作業の際、誤ったデータの入力

変えてはいけないセルの消去といった誤操作を行ってしまいます。

 

気づかない間に

帳票フォーマットの条件付き書式や

関数を無効にしてしまうといった

トラブルも多く

それらが発覚する度に

メンテナンスに膨大な時間が必要になります。

 

◆共同作業に不向き

ファイルサーバーやOneDrive上で

作成、編集、更新等を行うといった

運用ルールを導入し

また「共有」機能を用いることで

Excelでも複数人がリアルタイムで

同じファイルにアクセスできるようになります。

ですがExcelは自由度が高いため

複雑な帳票業務での同時アクセスは

ファイル編集者間で混乱や、多数の方が

使用することにより

OneDrive上でExcelを使用する方や

Excelファイルを開いて使用する方等

様々な使用方法で使用できるため

印刷した際などに書式にばらつきが

あったり等が起こります。

 

◇システム化に不向き

Excelはスタンドアローンな利用が

前提なので、帳票を作成する際には

各自のPC内にファイルを置き、ローカルで作業します。

 

帳票のフォーマットや

データベースシートや、

作成した帳票の電子ファイル等は

ファイルサーバーやOneDrive(Microsoft)上で

コピー、上書き更新等で運用することになり

別ツールやシステムとの連携には対応していません。

 

◆メンテナンス工数が多大

またExcelの関数や条件付き書式は

各セルに対し個々に入力しておく必要があり

フォルダ構成や新たなデータベースファイルを

追加した場合、メンテナンスに膨大な時間が必要になります。

 

◇セキュリティ機能が万全とは言えない

Excelはファイルそのものの

読み込みと書き込みしか権限を

付与することができません。

帳票の場合、一部の項目のみに機密情報を

記載しているケースも多く

Excelではこのような帳票の

情報漏洩を完全に防ぐことができないのです。

 

帳票業務には専用の帳票ツールをおすすめする理由

Excelは誰でも簡単に使用することができるので

帳票業務に有用と思われがちですが、

大量、大規模、多人数といった会社の環境下では

業務効率、品質、セキュリティの低下を招きます。

 

最近では膨大な帳票を取り扱う

大企業を中心に帳票に特化した

専用ツールやITサービスを

導入することで業務効率や品質の向上を図っています。

 

※帳票のデザイン、機能を利用することで

 作業の負担が大幅に削減できる

帳票ツールにはノープランで

簡単に手早く帳票を作成する機能が

搭載されています。

定型帳票、準定型帳票に

対応したテンプレート等も

豊富に用意されているため

これらを流用することで帳票開発に必要とする

工数の大幅な削減を実現してくれます。

 

※異なるシステムやツールの

 データを1つの帳票に統合できる

帳票ツールは社内の業務システムや

別のツールのデータのインポートや

連携する機能を備えています。

少ない負担と高い生産性で

社内に散乱している帳票データの統合を実現してくれます。

 

※データベースの更新を

 リアルタイムに反映するため

 帳票作成にかかる手間がはぶける。

帳票ツールには帳票を

自動で作成する機能も備えています。

そのため帳票の元データとなる

データベースに追加するだけで

帳票フォーマットに

転記するための関数や

データ入力を行うことなく

すぐに帳票を出力できる状態に仕上げてくれます。

 

※大量のデータ処理に強いので

 データ消失のリスクがなくなる

Excelはファイルアクセスの

問題上、大容量のファイルを複数人でアクセスした場合、

フリーズしたり、強制終了したりといったトラブルに

見舞われることがしばしばあります。

フリーズ、強制終了はExcelファイルの破損

データ消失といった最悪の事態を招いてしまいます。

帳票ツールは大量のデータ処理に強いのは

もちろんデータの更新処理も精巧に作られているため

このようなトラブルに見舞われることなく大切なデータをしっかり守ってくれます。

 

※一元的に帳票の操作権限を設定できるので

利便性とセキュリティ性が高まる

 

帳票の元データを一元管理することで使用したい帳票を

即時に検索することができるようになります。

管理権限の範囲内であれば、いつでもどこで

も閲覧、編集、出力といったことが出来るようになります。

 

帳票の各フィールドに対し、管理権限を付与することができるので

情報漏洩を気にすることのない安全な業務環境を実現してくれます。

 

 

 

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